【獣医師解説】⚠️誤食注意報⚠️

昨年こちらのコラムで紹介したのですが、誤食は動物病院への来院理由でとても多いものです。

当院の患者さんは比較的若齢のわんちゃん・猫ちゃんなどが多いこともあり、ここ最近誤食による催吐処置、内視鏡、開腹手術などが続いています😭

改めて皆様にも気をつけていただくために今回は実際の症例を少し紹介してみようと思います。

「こんなもの食べるなんて・・・」「少し目を離した隙に・・・」とおっしゃる飼い主さまが大半です。

今一度お家の中に危険な場所、ものがないか確認してみてくださいね。

①誤食した時の年齢
②誤食したもの
③行った処置など

<わんちゃん編>

●症例1
①1歳3ヶ月
②布のバスマット
③ほつれたバスマットが長く紐状になり腸に詰まってしまっていました。
そのため腸を3か所切開して紐を取り出し、壊死してしまった腸を2か所切除しました。
その後10日間入院をし無事に退院しました。

※紐状のものは、腸がそれを送り出そうと動くことでどんどん引きつれてしまいます。
(巾着袋の口の部分をイメージしてもらうとわかりやすいかと思います)
その状態でいると腸が裂けてしまったり血流が悪くなり壊死してしまい、手術しても最悪亡くなってしまうことがあります。

●症例2
①2歳
②お菓子を包み紙ごと食べてしまったという主訴で来院されましたが、レントゲンを撮影すると胃内には指輪など金属のものも写っていました。
③緊急で内視鏡を行い摘出しました。
●症例3
①9ヶ月齢
②わんちゃん用の服の一部
③食べてすぐの来院だったため、催吐処置を行いました。
●症例4
①4ヶ月〜6ヶ月齢
②おもち4つ(4ヶ月齢時)、ネギ・生米(5ヶ月齢時)、保冷剤(6ヶ月齢時)
③おもちは誤食後4時間ほど経過してしまっていたため経過観察としました。
お腹がパンパンになり調子を崩したようですが、次の日には便で排出されました。
ネギ・生米は食べてすぐだったため、催吐処置を行いました。
保冷剤は成分によっては急性腎不全を起こして数日で亡くなってしまう可能性があるため緊急で催吐処置を行い、全身麻酔下で胃洗浄を行いました。
その後入院し経過をみましたが、大きな問題は起こらず無事に退院しました。

※エチレングリコールという成分が含まれる保冷剤は、誤って摂取すると急性腎不全を起こします。以前勤務していた病院で、生後半年ほどのわんちゃんが保冷剤の誤食によりエチレングリコール中毒を起こし、その日のうちに亡くなってしまったことがありました。
今は危険な成分を使っていない製品も多くありますので、ひんやりマットなどを購入する際には万が一食べてしまっても安全なものかどうか確認するようにしてください。

●症例5
①9ヶ月齢
②フライドチキンの骨
③レントゲンで確認したところ、細かく噛み砕かれていたため経過観察としました。

※鶏の骨は縦に割れると食道や胃を傷つける可能性があります。
どのような形で胃に入っているかやその子の体格により対処法が異なりますので、自己判断はせず、必ず動物病院で指示を仰いでください。

<猫ちゃん編>

●症例1
①3ヶ月齢
②ユリの花?
③来院時口の周りに黄色い花粉を付けていました。ユリ科の植物は猫にとって猛毒であり、口にすると急性腎不全に陥る可能性があるため、緊急で催吐処置を行いました。一晩入院し点滴治療と中毒物質を吸着する炭の薬を投与し、翌日退院としました。

※肉食である猫ちゃんにとって危険な植物はたくさんあります。
猫ちゃんの生活する部屋には植物は置かないようにしましょう。

●症例2
①4ヶ月齢
②とうもろこし
③嘔吐を主訴に来院、腹部エコー検査で腸管が閉塞を起こしている所見があったため緊急手術を行いました。
最近机の上に乗り盗み食いをしているとのことでしたが、全く消化されていないとうもろこしの粒が十二指腸部分で閉塞を起こしていました。
腸を一部切開する手術を行い、1週間ほど入院したのちに無事に退院できました。

※通常とうもろこしが閉塞を起こすことはあまりありませんが、今回は猫ちゃんの体格が小さかったこと(体重1.5kg)、とうもろこしの粒がかなり大きく丸呑みしてしまったことが重なり腸に詰まってしまったと考えられます。

●症例3
①6ヶ月齢
②マットの一部、髪の毛やほこりなど
③何度も嘔吐するということで来院、腹部エコー検査で紐状異物を疑う所見があったため緊急手術を行いました。腸を2か所切開し異物を摘出、1週間ほど入院したのちに無事に退院できました。

※パズルマットを誤食する子も多くいます。
また人間の髪の毛やほこりだけでなく、猫ちゃん自身の毛玉で腸閉塞を起こすこともあります。
特に長毛の猫ちゃんはしっかりブラッシングしてあげてください。

●症例4
①9歳
②糸のついた縫い針
③誤食してから半日以上経過しており、レントゲンで大腸まで流れていることがわかりました。消化器症状も無かったため慎重に経過をみました。次の日無事に便から針と糸が出てきたとのことです。

※今回は幸い大事には至りませんでしたが、針が消化管を突き抜けてしまう(穿孔)可能性や糸が腸に詰まり閉塞を起こす可能性がありとても危険な誤食でした。

いかがでしたか?想像するだけでゾッとしますよね😭

今回紹介した症例はほんの一部です。
以前勤務していた病院では他にも画鋲を飲み込んでしまったわんちゃんや焼き鳥を串ごと食べて胃に刺さってしまったわんちゃんなどもいました。

またわんちゃん、猫ちゃんだけでなくフェレットさんもとても誤食が多いです。

「うちの子は大丈夫」と過信せず、しっかり環境を整えてあげてくださいね。

万が一誤食してしまったらすぐに動物病院に連絡し指示を仰ぎましょう。