健康診断のススメ② 肺腫瘍

こんにちは。当院では前回ご紹介した“わんドック・にゃんドック”の他に、春のフィラリア予防シーズンにはフィラリア検査用に採血した血液で血液健康診断を行なっています。

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今回は前回に引き続き健康診断で病気を発見した症例を紹介します。

血液健康診断で発見!無症状の肺腫瘍

当院が開院したばかりの約半年前、フィラリア予防に来院されたわんちゃんが血液健康診断を受けることになりました。

血液検査には大きく分けて血球数算定(CBC)検査血液生化学検査の2つがあります。

CBC検査は白血球や赤血球などの血液細胞の数や性状を知ることができる検査です。

今回のわんちゃんは、白血球の中の好中球という細胞が異常に上昇していました。好中球が上昇する原因は細菌感染症や炎症などが有名です。特殊な例として、膀胱腫瘍や肺腫瘍の患者で上昇することがあります。

また、生化学検査では血液中に存在する成分を調べることでさまざまな臓器や体全体の状態を把握することができます。

今回はCRPという項目が上昇していました。体のどこかに炎症や腫瘍が存在したり、免疫介在性疾患がある場合にCRPは上昇します。

このわんちゃんは血液検査の他に、聴診で肺音と心音の異常も認められました。

健康診断から胸部の炎症や腫瘍などが隠れている可能性が疑われたので、追加検査としてレントゲンを撮影すると、、、

胸の中に白く映る巨大腫瘍が認められました。左の肺の一部(写真では右側上部)が腫瘍化し、心臓を右側(写真では左側)に押しやっています。

原発性肺腫瘍や転移性肺腫瘍は、かなりガンが進行するまで咳などの症状がみられないことが多いです。このわんちゃんも咳などの症状はありませんでしたが、これほど大きなガンが体を蝕んでいました。

 

血液検査では多くの体の異常がわかります。今回のように無症状であったとしても血液健康診断の結果をたよりに、追加検査を行うことで多くの病気を発見することが可能です。

しかし、中には血液検査では異常が出てこない病気もあります。そのため、当院では春のフィラリア検査のシーズンには血液健康診断を、その半年後の秋には画像検査なども含まれている“わんドック・にゃんドック”を受診することをオススメしています。

人間よりも何倍ものスピードで成長し、不調を隠してしまいがちなわんちゃん・ねこちゃんだからこそ、健康診断を受けて病気を早期に発見してあげましょう。