【獣医師解説】療法食を始めるにあたって

わんちゃん、ねこちゃんの健康上の理由で療法食を勧められている、または継続しているケースは多いと思います。
療法食は、それを食べることが治療の一部、もしくは全てを担います。
そのため獣医師の指導の下、経過をみながら継続していく必要があります。
今回は療法食を与える場合に気をつけなければいけないことをまとめましたので、参考にしてください。

療法食って?

人間でも食物アレルギー、肥満、糖尿病、腎臓病などで食事指導をされると思います。
動物の場合は市販のフードから特定の成分を摂取しないようにすることは難しく、手作りもなかなか難しいですよね。
そのためそれぞれの病気に合わせて特別に調整されたフード(=療法食)を与えます。
療法食は基本的に獣医師の処方のもとに与えるフードです。
飼い主様の自己判断で開始したり、中断したりすると健康を害するおそれがありますので注意してください。

危険な間違いの例
  • 肝数値が高いと病院で言われたからネットで買った肝臓サポートを与えている
  • 尿石症で療法食を与えていたが、市販のフードに戻した(もしくは高齢になったが同じフードを続けている)
  • 腎数値が高いと言われたので下部尿路疾患用フードを与えている

こういった例は、実は非常に多いです。
療法食にはそれぞれ適応が決まっているため、必ず獣医師に相談してください。

療法食を与える際の注意点

フードを変更する際の注意点

急に新しいフードに切り替えると警戒して食べてくれないこともありますし、お腹がビックリして嘔吐したり下痢になったりすることもあります。
新しいフードを与えるときには元のフードに10%程度から少しずつ混ぜて与え、1週間ほどかけて徐々に切り替えてください

療法食に切り替えたあとの注意点

定期的に獣医師の診察を受けましょう。
また食事を変更したことで起きたと思われるトラブル(下痢をした、痒みがひどくなったなど)はすぐに報告してください。

療法食の購入について

かかりつけの動物病院で購入しましょう。
インターネットやホームセンターなどで販売している場合もありますが、そういったフードを購入して起こったトラブルなどは、獣医師も把握ができず責任を負えません。
(療法食がそういった方法で購入できること自体が問題であり、少しずつ流通も整備されてきています。当院では動物病院でしか購入できないフードを主に取り扱っております。)

またライフステージの変化などで食事の変更をおすすめする場合もあります。
持病がある場合、食事内容をかかりつけの獣医師が把握していることはとても重要なことです。

トッピングやおやつについて

療法食は必ず、そのフードと水だけで維持してください。
少しくらいならいいかな?とトッピングやおやつを与えてしまうと、療法食を与えている意味が全くなくなってしまったり、かえって有害になることもあります。

どうしても食べない場合には与え方を工夫したり(ふやかす、温めるなど)、他のメーカーの製品を試してみる、同じ効果のある缶詰をトッピングするなどの方法がありますので、動物病院に相談しましょう。

どうしてもおやつを与えたい場合、おすすめは与えている療法食を少しとっておいて、おやつとして与える方法です。
他のメーカーの療法食をおやつとして与えるのも気分が変わってよいと思います。
療法食を与えている子用のトリーツもあるので、おやつを与えたい場合は取り入れてみてください。
野菜などについても、与える場合には必ずかかりつけの獣医師に相談してからにしてください。

また、大切なのはこれらの認識を家族間で共有することです。
お母さんはおやつを与えていないけど、他の家族がこっそり与えていた…などといったことは非常によくあります。

当院で療法食を購入される方へ

当院ではロイヤルカナン、ヒルズ、日清、ドクターズなどの療法食を取り扱っています。
1番小さいサイズのもの以外は取り寄せになりますので、ご来院の2〜3日前(休日を挟む場合はもう少し早めにお願いします)に事前にお電話でご注文ください。
1番小さいサイズのものも、ご来院のタイミングによっては在庫を切らしていることもありますので、事前にお電話でご確認ください。

猫ちゃんの腎臓病用療法食はこんなに種類があります(実は味違いのものが他にもまだあります)

今は各メーカーがなるべくおいしく療法食を継続できるようにと色々な製品が作られています。
療法食についてご不明な点がある場合はご相談ください。